小さな劇場の前を通りかかった私は、一枚のポスターが目にとまった。
ポスターに惹かれ中をのぞくが、受付には入場無料とだけ書かれ誰もいない。
不思議に思いながらも、パンフレットを手に取り場内へとすすんだ。
場内は、ハイカラな曲が流れるだけで私の他は誰もいない。
若干の警戒をしながらも、客席に座りパンフレットを開いた。
ストーリーを読み終えると開演のブザーがなり幕が上がった。
舞台はすすみ、明智が黒蜥蜴の変装を見破り追い詰めようとしたその瞬間。
「いない・・・」
変装した黒蜥蜴はエジプトの星と共にいなくなっていた。
それは屋敷からではなく『舞台上』から。
代わりに、黒蜥蜴がいるべき場所には一通の手紙が残されていた。
手紙を読み終えた明智は、黒蜥蜴を捕まえるべく舞台から飛び出たが
昭和初期の記憶しかない本物の明智小五郎であった。
明智小五郎と共に、怪盗黒蜥蜴から宝石を奪取せよ!